「トウワタ」
(アスクレピアス・クラッサウィカ)
ーAsclepias curassavicaー


ガガイモ科・アスクレピアス属

 

 

西インド諸島・クラサオ島原産。
一年中花が見られます。花の後、ガガイモ科特有の紡錘型の果実が出来て、完熟してはじけると、中から、綿の繊維(種髪しゅはつと言います)をつけた種子が風に乗って飛び出します。
日本には江戸時代に入ってきたようですが、アスクレピアジン、ビンセトキシンという成分を含む有毒植物でもあります。
毒は、使い方次第で薬にもなります。消炎、止血、催吐薬、殺虫薬に利用されます。

こんな有毒植物を食草とする虫もいるのですね。
カバマダラというチョウは、これを食べることによって、自分の体内にも毒を帯びさせ、外敵から身を守っています。

日本の暖地の戸外で育ちます。
我が家にもあり、うちから飛んだタネが、ご近所の庭でも花を咲かせています。ただし、黄色のアブラムシがびっしりついてしまうので、要注意です。 うちの花には、セグロアシナガバチが来ているのを見かけましたが、これは多分、蜜を舐めに来ているアリがご馳走なのではないかと思います。

この、ガガイモ科の「ガガイモ」を調べているうちに、オシベとメシベが一体化した蕊柱(ずいちゅう)という言葉に出会いました。
蕊柱は、ラン科とガガイモ科に見られる特異な形態です。うちのトウワタの黄色の花弁をはがし、中を見ました。小さくて、ピンセットでも解体が難しく、 待ち針でかき分けているうちに、一個の花粉塊が取れてしまいましたが、黒い粒と、黄色い花粉塊2個が、ワンセットになって入っているのです。 花弁をはがした画像では、そのシルエットが、透けて見えています。
袋果の中は、トウワタもガガイモも殆ど変わらず、中心にひだの入った軸に沿って白い毛(種髪)がびっしり並んでその先に種子が出来ています。  
 

     

     

「アスクレピアス・クラサビカ‘シルキーゴールド」という、黄色い品種も2013年から、中南米産植物室入り口付近に、植栽されています。
トウワタとつくものに、属は違いますが、同じガガイモ科の「フウセントウワタ」というのもあります。

(名古屋市立東山植物園・サンギャラリー南側臨時 出入り口付近、黄花は中南米室近く)

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