「カカオノキ」(テオブロマ・カカオ)
-Theobroma cacao-


アオギリ科・カカオノキ属
  
   カカオ、名前は有名ですよね。チョコレートの原料などに使われています。
東山にも、大きな鉢植えで、展示されているのですが、毎年、花は咲くのに、実がなりません。
でも、2019年ごろから、時々、小さな果実が見られるようになったのです。でも、残念ながら、成長することなく落果してしまいました。

それが、2023年5月には、立派な果実になりました。
その成長過程をご覧ください。    


そして、5月17日の当番日に見たときは、ここまで色づいていました↓15センチぐらいあります。
右は、以前、 キュー植物園で見かけたもっと大きなカカオの写真です。

中南米原産
カカオノキの学名テオブロマは、ギリシャ語の神を表すテオと食べ物を表すブロマがくっついて出来た言葉で、神様の召し上がりもの、 ということになります。
この果実(カカオポッド)の中には、果肉に包まれたカカオ豆と呼ばれる種子が沢山入っています。このカカオ豆の外皮を取り除き、 細かく砕いてペースト状にしたものは、私たちの大好きな、チョコレートやココアの原料になるのです。

その昔、とても貴重な産物であった頃は、貨幣の代用だったのですね。1545年のメキシコでは、雄の七面鳥は200粒、雌の七面鳥や野ウサギは100粒で交換できたと言います。

花はとても小さく、ツボミなどは、マッチの頭より小さいのです。
こんな小さな花なのに、果実は、すごく大きくて、ラグビーボールのような形をしています。
自然界では、花200個に1個の確率で実がなります。
幹から直接咲くので、「幹生花」と言い、果実も「幹生果」と表現します。

葉は、熱帯の植物の新芽の特徴をもっています。新しい葉を展開するときは、赤い柔らかな葉から成長します。 強い日差しに負けないための、植物の知恵ですね。
同じように、赤い新芽から展開するものが、この中央ヤシ室内に いくつかありますよ。 「マンゴー」  「ムユウジュ」 「セイロンニッケイ」 など。

そして3センチぐらいの小さな果実の写真は、2019年秋、東山植物園で、初の結実の姿です。

残念ながら、この写真を撮った後数日で落果してしまいました。
   

(名古屋市立東山植物園・サンギャラリー・サガロ室入口付近の大鉢)

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