サイザル (アガベ・シサラナ)ーAgave sisalana Perrineー

「サイザル」
(アガベ・シサラナ)
ーAgave sisalana Perrineー

リュウゼツラン(=キジカクシ)科・アガベ属

メキシコから中央アメリカ原産。
サイザルの名の由来は、メキシコ・ユカタン半島にあるサイザル=Sisalというサイザル製品を扱う港の地名からきています。

サイザルは、サイザルアサとして有名ですが、リュウゼツラン科に属していて、いわゆる麻の仲間ではありません。
化学繊維の普及により、以前ほど、栽培はされていませんが、長い葉から採れる繊維は、かなり丈夫で、水にも強いので、船舶用のロープ、 ハンモック、マットや床材などに使われますが、衣類を作るには向かないようです。

サガロ室では、2019年の暮れから、ロゼット状(地表に、放射状に、葉を広げること)に広がる葉の中心から、どんどん花茎(マストとも言う)が伸びて、2020年、温室の天井につかえるえるほどになりました。

マスコミで取り上げられて、連日、沢山の人に、ご覧いただけました。
そんな中で、花の仕組みが分からない、とおっしゃる方が何人か。うーん、私自身も、花に近寄れないので、沢山ある写真の中から、確認してみました。
上の画像でもお分かりのように、筒形のつぼみから始まり、先ずは、雄しべが顔を出します。雄しべは、伸びながらT字型に横に手を広げて、花粉を出しています.
やがて、中心から、マッチ棒のような雌しべが伸びてくると、雄しべは、黄色くなりカールしてしまいます。雌しべは残り、雄しべは、パラパラと落ちてしまいます。
花粉を運んでくれるのは、オオコウモリです。
この株は、昭和の終わりごろ、このサガロ室が出来た時に、この場所に植栽されたようです。
大体30年前後で、開花に至るとか。ただ、植え方によって、根詰まりなど人工的にちょっと窮屈に育てると、 案外早く開花するそうですよ。

なお、巨大サボテン、ベンケイチュウの陰に隠れて、なかなか上手く写真が撮れず、ガイド仲間の直仁さんに、一部画像をお借りしました。

サガロ室の、リュウゼツランの仲間
「アガベ・アッテヌアタ」
「アガベ・ストリクタ(=吹上)」
「アガベ・デザーティー」
「アガベ・ファルカタ」
「アガベ・ヘテラカンタ」
「アガベ・ホリダ」
「アガベ・ポタトルム(雷神)」などがこれまでに開花しています。

サガロ室には、リュウゼツランの仲間が沢山あり、時々、どれかから花茎が伸びてくるのですが、どれも丈が高く成長はゆっくりです。
そして、花が終わると、その株は枯れ、自然界であれば、タネが飛んだり、子株が出来たりして、次の世代へと、バトンタッチです。
この、サイザルの場合は、タネは出来ず、足元から次の子株を出して来るシステムです。

参考のため、ウィキペディアの、リュウゼツランについてを、載せておきます。
「リュウゼツラン」(サイザルの説明も少し触れています)

(名古屋市立東山植物園・サガロ室後方)

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