「ヤブガラシ」 (カイラティア・ヤポニカ)-Cayratia japonica-

ブドウ科・ヤブガラシ属

日本全土に分布

漢字で書けば、藪枯らし。
我が家の庭にも、あちこちから顔を出します。つる性ですから、うっかりするといつの間にか 他の植物に絡みつき、葉を広げ藪のように茂り、その下になった植物を日陰にして弱らせてしまいます。
ビンボウカズラなんて、情けない名前も持っています。
これには諸説あって、これが藪を作っているような、手入れの行き届かない家は、貧乏くさく見える、とか、 積んである材木の上を一面に覆ってしまい、下の材木が使い物にならなくなって、 その材木の所有者が貧乏になる、とか。

花の写真を撮りたくて、時間をかけて探しました。
藪を作ってるくらいですから、花穂はあちこちに沢山あります。しかし、写真のあちこちに見えている、、 花弁が落ちた後の、赤い花盤とメシベだけの、独特の花の後が珊瑚のように残っているだけで、 花びらのある花がどうしても見つかりません。
探し方が悪いか、時期が悪いか・・・とあきらめました。

しかし、山渓の「野草の名前」−夏、を何気なく見ていて、分かりました。
花は、朝。しかも短時間しか花弁がない、と書かれていたのです。

翌日、午前中またヤブカラシ現場へ行ってみました。 そして、やっと見つけたのが、この花写真です。
出かけたのは10時、すでに花弁は垂れ下がって落ちる寸前です。

花弁が開き、オシベが花粉を用意している雄性期の花。花弁が落ちて、真ん中にはメシベだけ、 花盤に蜜をためている雌性期の花の、二種類あることが分かります。 つまり、日ごろ私たちがよく目にしている二枚目の状態は、雌花ばかり、ということになります。

それぞれの食卓につく昆虫たちのなんと多かったこと。
下段左はチョウ、右はスズメバチです。 ブンブン唸りを上げていて、おちおち、カメラなど向けていられないほどです。

さらにその翌日、朝6時過ぎに現場へ行って見ました。今度は盛大に花びらを広げているかも・・という期待を持って。
しかし、期待は見事に裏切られました。今度は早すぎたようです。 日が差してこないと、開花しないのだと理解しました。

こんなにいっぱい花があるし、虫も沢山来ているのだから、その後の果実もさぞかし・・・と思うのですが、 ヤブカラシの実は、あまり見かけませんね。というか、生い茂る夏草の運命、もうその頃には、刈り取られてしまっているのかもしれません。
(2006年9月撮)

灯台下暗し・・・。2007年の夏、わが庭の片隅にある、ヤブガラシに実がついているのを見つけました。
そして、朝のうちに咲く、といわれている花が、夕方6時前にも見られたのです。
花弁が落ちずにがんばっていたのか、 翌日開花するはずのものがなぜか前日に前倒しになったのか・・・は不明です。

ヤブカラシには、二倍体三倍体があると資料に出て出てくることがあります。
実を作れるか作れないか・・ということならば、うちのヤブガラシは二倍体。
また、二倍体は西日本に多く、東日本には三倍体が多いという観察記録もあります。
このヤブガラシは、日本列島のほぼ真ん中のものです。
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