「オシロイバナ」(ミラビリス・ヤラパ)-Mirabilis jalapa-

オシロイバナ科・ミラビリス属

写真はうちの庭のものですが、空き地や畑の隅などに野生化しています。南米原産。
英名は、four o'clock(4時)で、夕方から咲く花というイメージですが、 うちでは、4時を待たずに咲き始めています。
おしろい、今ではレトロな言葉ですね。
このきれいな花の後に出来る黒くて円い種子の中の 胚乳、おしろいのように真っ白な粉が詰まっていて、子供たちが潰して遊んだことからついた名前、といわれています。
花の色は、かなり変化に富んでいて、黄色や朱色、絞りなどがあります。
花と表現しているこのきれいな部分は、実はガクが変形したものです。
やさしい匂いもするので、色と香りの両方で虫を呼んでいるのでしょう。
結実は、多分100パーセント、虫のお手伝いを頼むだけでは心もとないのか、自家受粉もして、 ほとんど、咲いた花の数だけ果実が出来ます。
下の左の写真のように、星型の苞の上に、 黒い玉がちょこんと乗っている感じです。 風などで、転げ落ちた種子は、これまた100パーセント近く、実によく発芽します。 抜き取らなければ、庭中、オシロイバナに占領されてしまいます。
根が残っていると、次の年はそこからまた新しい花を咲かせ、年を追うごとに株が大きくなるのです。 そして、その根っこは、肥大化して、ニンジンぐらいの塊根になります。中は真っ白です。
そこに栄養分をたっぷり溜め込んでいるので、水がなくても平気です。
空き地があったら、ぜひ、オシロイバナのタネを蒔いてみてください。
手間要らずで、緑地化、花畑になること請け合いです。

黒い玉の中って、どんな仕組みになっているのでしょうか。
2010年、ふと思い立って、オシロイバナをしっかり観察してみることにしました。 JSPPサイエンスアドバイザーの今関 英雅様に教えていただいた事を、画面で再現してみました。

夕方には、シベがしっかり伸びていますが、咲き始めと終わりは、シベはくるくる巻いています。
このページの最初にも触れましたが、きれいな花に見える部分は、花弁ではなく萼です。苞の上に、丸い玉をくるんだ形でラッパ型の萼が開いています。
受粉が終わると、玉状の上のところで分離し、オシベは萼の先端とともに落ち、残りの萼の中には、メシベと繋がった丸い子房があります。萼はやがて黒く変化していきます。
黒くなる前の果実には、5本のオシベのあった跡が星型になって残っているのが分かりますね。
黒い皮を剥いでみると薄茶色の果皮に包まれた丸い塊りが取り出せます。この中にある艶のある玉が種子です。
更に、これを割ってみると、中には、オシロイバナの名前の元となった白い粉(植物用語で「胚乳」(はいにゅう)と言う)と細長い幼植物体「胚(はい)」が入っています。

最後の写真の細長い部分をご覧ください。写真では大きく見えますが、何かの幼虫のように、3ミリほどの長さしかありません。これが「胚」という部分です。
今関先生のご説明↓では、
「胚とは次世代の子供で、片方に幼葉(子葉)、中央に胚軸(茎)、もう片方には、幼根があり、これは受精後発生してきたもの。
また、胚乳にあたる白い粉は、胚の初期成長を支える栄養分を貯蔵している。」
「身近なところでは、お米。玄米が種子、玄米の端にあるおへそのような小さな器官が胚。つまり、玄米の大部分を占めるデンプンを溜めているところが胚乳です。胚乳の周りは、種皮で囲まれています。 植物によっては、胚乳内の栄養分を消費して、子葉を発達させ、その子葉の中に栄養分を貯蔵した種子がマメ類など多くあります。」ということでした。今関先生、ご指導感謝します。

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