「マルニエラ・クリソカルディウム」 
(ゴールデンハート)  
-Marniera chrysocardium-


サボテン科マルニエラ属

 

 

 

メキシコ原産
    同義語として、Epiphyllum chrysocardium 、Selenicereus chrysocardiumという学名もあるようです。
茎の両脇が交互に伸びているので、見た目は、シダのような形をしているので、英名はファーンカクタス、葉っぱではありません。
夏、一夜の幻想のように咲く「ゲッカビジン」の仲間ですが、これはその仲間では唯一の冬咲き種です。
ツボミが出来始めてから、約6週間かかって開花しました。

気温の低い時期に咲くせいもあってか、開花時間は、ゲッカビジンより長いようです。
ゲッカビジンが、夜8時ごろから開花して4時間ほどで、しぼみ始めるのに対して、これは、 開花した夜の翌日まで残っているのです。

この花は、2006年12月8日の夕方から少しずつ時間をかけて開き始めて、11時ぐらいに満開になったということですが、
この写真は、翌9日の朝、9時半ごろに撮っています。

温室の中では、夜咲きの花は、可哀想に、最高潮の時間帯に誰にも見てもらえません。
これも、少し盛りを過ぎた状態です。 もう、匂いもありません。

花の大きさは、大人の両手をうてなのように広げたぐらいで、とても豪華でしたが、最盛期は、もっと大きかったであろうと推測しています。
この花を咲かせるために、エネルギーを注ぎこんだと見えて、支える葉状茎は、少し痩せていました。

この花の付け根部分から花の先端までは、40センチぐらいあります。
その中心に、メシベがずーっと繋がっているはずですから、 すごい長いメシベの持ち主です。

間の描写は、ガイド仲間、雅夫さんの作品で、咲き終わった花を解体したもので、ち密な作りがよくわかります。

温室内では他にメシベの長〜いものに、 「ロスマニア」があります。
 
 

     

   
  2016年の12月、これまで遠慮がちだった花が、数多く咲きました。然も、夜開性の花の筈なのに、今年は、日中に開花するのがあります。
開花時間の変化の原因は、はっきりしませんが、もみじ祭りと言う、夜間開放の催し物が始まって、明かりの点く時間が伸びたことによるものでは・・・。 又は、前館の工事のために、大きなシートで、建物全部を囲ってしまったので、太陽の反射熱が、関係しているのかも・・・花に聞いてみないと分かりませんが。

あるとき、こんな質問を受けました。
サボテンの仲間なら、どこかに、トゲがあるはず。どこですか?と。
サボテン=トゲ、というイメージはありますが、トゲの無いものもあるのです。
雲霧林で生育する森林サボテンの多くは、トゲがないのだそうです。環境的に、トゲを作る必要がないからです。つまり、生育をじゃまする害獣が居ないからのようです。
  

(名古屋市立東山植物園・中南米産植物温室)

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