羽状複葉の葉を放射状に広げるこのザミア、原産地の名をとって、「メキシコソテツ」ともいいます。 furfuracea は、鱗の多いとか、ぬか状のと言う意味です。つまり、葉や茎などに毛が密生しているという状態を言います。 これだけ毛が多いと、ふかふかした柔らかさかと思うとハズレ。板のように硬い葉が並んでいるのです。また、 葉の先端にいびつなくびれが見られるのも特徴です。 潮や乾燥に強いので、現地では、海岸地域に多く見られます。 雌雄異株ですが、雄株も雌株にも、ちょっと見に、マツボックリのような球花がつきます。 雄株雌株は、まん中の球花で区別します。亀甲型の鱗片葉からなる円錐状で先の尖った球花が雄。盾型の鱗片葉で、ずんぐりとした円筒形のものが雌の球花だそうですから、2枚目の写真の球花は、雄と思われます。 最後の二枚は、雌の株。2014年に撮ったものですが、球果から、果実が顔を出しているので、雌花序です。完熟したものは、倒れて、バラバラになりそうな感じでした。 朝日百科「植物の世界」に、ヒロハザミアの受粉のことが書かれています。 その中では 花粉の媒介者ポリネータは、ロバロトリア・モリスというゾウムシで、雄の球花で産卵したり、花粉を食べたりしてから、雌の球花に異動して授粉する。 また、雌の球花は閉鎖型の構造で、裂け目が出来るほんの短時間だけ受粉が可能になる・・・とあります。 球花とは 裸子植物に見られるもので、松のマツカサのように、種子をつけたうろこ状のものが、軸のまわりに集まって、球状ないし円柱状になったもの。 果実に似ているが、裸子植物は、子房を作らないので、真の果実とは言えない。針葉樹に多い。 このザミアの近くには、葉がちょっと細長い、「ザミア・プミラ」が雌雄で植栽されています。しかし、これは、ヒロハザミアの異タイプ異名(heterotypic synonym)とされ、同じものを指している可能性が、高いです。 |