「グラスツリーsp.」
(クサントロエアsp.)
-Xanthorrhoea sp.-

ススキノキ科・ススキノキ属

オーストラリア原産

    グラスツリーは、草のような葉を持つ木、という意味です。 細い葉を円形に広げ、真ん中から、まっすぐな茎を伸ばし、その先に穂状花序をつけます。
オーストラリアの植物では、山火事の熱で果実から種子を放出したり、 種子が目覚めて発芽したりするものがよく見られます。
ユーカリの原産地であるため、 ユーカリの油分を含んだ枯れ葉と、強烈な太陽の熱で、自然発火の山火事が起きやすいのです。
このグラスツリーも、山火事が起きると、子孫を残すために急いで花を咲かせます。
また、この木は、火災に遭って黒こげになっても、中まで燃えることなく、生き続けます。 成長は極端に遅く、1年にせいぜい1−2センチぐらいだとか。
小さな花が集まっていて、蜜もたっぷり。あふれ出た蜜が、茎を伝って滴り落ちています。
その花の上をナメクジが這っていました。ナメクジの功名でしょうか、二ヶ月ほどたつと、 先のとがった果実が出来てきました。↓

  グラスツリーには、黄色い花を咲かせる種(左の写真)もあります。
また、グラスツリーそっくりの植物、リュウゼツラン科のDasylirion longissimum「ダシリリオン・ロンギッシマム」(右の写真)というものがあります。
同じように細い葉を伸ばしているので、二つ並べたら、どっちがどっち?なのですが、グラスツリーの葉は、 細いながらに扁平で、いうなれば、ススキの葉を細くした感じ。 ダシリリオンの方は、葉に厚みがあるというか箸を長くしたような感じがあります。
また、グラスツリーはオーストラリア原産、ダシリリオンは、北アメリカの砂漠地帯原産なので、 現地で間違うことはありません。

(名古屋市立東山植物園・ サガロ 室)

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