「スタンホペア ・サッカタ」
 -Stanhopea saccata-


ラン科・スタンホペア属

メキシコ原産。
どうしてランが、水生植物室に? 多分、ジメーッとした環境が好きな着生ランだからでしょう。
大きさも香りも豪華です。
葉っぱは、エビネに似て、鉢の上に直立しますが、花は鉢底から下に向かって咲いています、奇妙なラン? 着生ランの仕組みを貫いているのでしょう。 ランの仲間は、長い間咲きつづけるものが多いのですが、これは、2-3日でしおれてしまいます。
強い香りがします。唇弁(しんべん)はかなり深いのですが、この咲き方では、呼び寄せたハチへのご馳走がこぼれてしまいそう。 うまく受粉のお手伝いをしてもらえるのでしょうか・・・。

朝日百科「植物の世界」には、次のように書かれています。

「スタンホペア属の花は下向きに咲き、蕊柱(ずいちゅう)と唇弁(しんべん)が、互いに向き合っている。
唇弁は、基部から順に袋状になる、ヒポキル (上唇。リップ(唇弁)がバケツ型をした花の、リップの上部)。大きな角状突起のある、メソキル(中唇。リップ(唇弁)がバケツ型をした花の、リップの中央部)、先端部の、エピキル(下唇。リップ(唇弁)がバケツ型をした花の、リップの下部)、の三つに分けられる。
ヒポキルからは、送粉者であるシタバチ類の雄だけを誘引する、芳香物質を出すが、この物質は、その種ごとに、その組成が、微妙に異なっているため、誘引されるシタバチも、種ごとに決まっており、交雑を防いでいる。 シタバチ類の雄は、ヒポキルにとどまって、その香りの源を探ろうとするが、その表面が、滑りやすくなっているので、滑り台のように、滑り落ちる。 メソキルにある角状突起は、ハチが、滑り台から、横に落ちないようにする、ガードレールの役割をする。蕊柱(ずいちゅう=ラン用語で、オシベとメシベが合体したもの)の先端には、粘着性の物質にくるまれた、花粉塊があり、これがちょうど、滑り台の終点付近にあるため、滑り落ちてきたハチの体に、自動的にくっつく仕掛けになっている。」

文字では、ちょっと、ややこしいですね。
このサイトhttp://yasashi.info/rankiso002.html「ヤサシイエンゲイ」 に、分かりやすい画像がありますので、参考にしてみてください。
(直リンクできません。このアドレスをコピーして、検索サイトに貼り付けるか、反転させて右クリックで、検索してください)
尚、文中に出てくる「コリアンテス」は、スタンホペアに,とても近い種類なので、部品名は、同じです。

もう一つの、「スタンホペア・ティグリナ」も見てください。

2013年、夏の終わりには、こんな果実がぶら下がりました。↑

(名古屋市立東山植物園・水生植物室)

「花夢ギャラリー」はリンクフリーですが、画像などの無断転載はお断りします。
Copyright (c) g-kamu.com All rights reserved.


★「花夢」トップへ ★水生植物室へ ★「花夢」収録一覧へ