関東地方以南の低山・林内で見られる植物です。 郷土の植物学者の伊藤圭介の名前が、植物名になっています。(伊藤圭介については、植物園の会館の一室に、その偉業を讃えた常設展示室がありますので、 植物園へお出かけの時には、ぜひお立ち寄りください) 穂になった白い花が、冬の寒い日に地表にできるシモバシラに似ているから、こんな名前がついたのでしょうか。 いいえ、この植物は、その茎から霜を吹き出すことで有名なのです。 今回、鉢植えが温室内に展示されましたが、園内、星ヶ丘門からの道と武家屋敷が見える通路の交差している地点、二カ所で、冬の名物となっています。 最後の写真は’90年の冬に撮ったものです。雪が積もっているのではありません。茎の水分が凍り、霜となって噴き出しているのです。 フリー百科・ウィキペディアでは、シモバシラの[茎]は冬になると枯れてしまうが、[根]はその後長い間活動を続けるため、枯れた茎の[道管]に水が吸い上げられ続ける。 そして、外気温が氷点下になると、道管内の水が凍って、茎から氷柱ができる。この現象は、地中の根が凍るまで続く。と説明しています。 気温が上がるとすぐに溶けてしまうため、冷え込みの強い日、開園と同時にその場所に直行しないと、なかなかお目にかかれません。 |