「シマオオタニワタリ」
(アスプレニウム・ニドゥス)
-Asplenium nidus L.-


チャセンシダ 科・アスプレニウム属

亜熱帯に広く分布
  日本では、屋久島、奄美諸島などに自生しています。
湿度の高い場所で、岩の上や樹上に着生する常緑性のシダで、黒くて太い主脈が目立ちます。
英名は、Bird's Nest Fernで、 直訳すれば、鳥の巣シダです。 葉がカップ状・放射状につき、その中に、周りの落ち葉などが入り込むと、腐って溶け、その中に、根を張ります

シマのつかないオオタニワタリ(単にタニワタリというときはこれ)というのもあり、ソーラス(胞子嚢)の長さで、名前が変わります。
葉の裏の写真を見ると、黒い細い線が沢山並んでいますね。 この細い棒状のものの中に、シダ植物特有の胞子が詰まっていて、固まり一つは胞子嚢(ほうしのう)、その集団を胞子嚢群と呼びます。 オオタニワタリと比較し、胞子嚢(ほうしのう)群が中肋(主脈)から葉の縁までの中ほどにしか達しない点で判別します。
葉っぱのまん中に、黒い中肋(主脈)がありますね。そこから葉の縁までの半分までの長さしかない場合は、シマオオタニワタリ。 オオタニワタリは葉裏についた胞子嚢が、もっと葉の縁の方まで伸びているのです。ややこしい説明でごめんなさい。 ともに絶滅危惧IB類(EN)(環境省レッドリスト)に指定されています。    

(名古屋市立東山植物園・シダ室)

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