サンドペーパーという名前があるように、葉っぱが紙やすりのようにざらざらしています。 真ん中の青紫の花はすぐに落ちてしまいますが、残された薄紫の萼はやがてプロペラのようにくるくる回って 落ちてきます。種子の散布に役立っているようです。 2006年4月、天井を覆うように豪華に咲きました。 09年、就学前のお子さんから、こんな質問がありました。「他の葉っぱはつるつるなのに、どうしてこの葉っぱはざらざらしてるの?」 鋭いですね。熱帯の木ではなくても、私たちの身近にある「ムクノキ」などでも、ざらざらしていて、実際、木工に使われましたね。 植物にはいろいろな形態があって、大人が理解するのも難しいこと。小さなお子さんに答えるには、ちょっと言葉に詰まってしまいました。 こんなお子さんは、きっといろんなことに興味を持って、すばらしい成長を遂げることと思いました。 後日、JSPPサイエンスアドバイザーの佐藤公行様から、次のように教えていただきました。 植物の葉っぱは、例えばツバキの葉の表面のように“つるつる”している場合もありますが、ご指摘のムクノキの場合のように“ざらざら”していることも多いです。 拡大鏡で見ていただくとよく分かりますが、葉っぱがざらざらしているのは毛やとげなどの突起物によることが多いようです。 これらの毛やとげにはケイ酸質で硬いものもあり、サンドペーパー代わりに使われることもあります。 一般的には、葉っぱに生える毛やとげの形や働きは多様です。ここでは毛の役割について一般的に考えられていることを列挙させていただきます。 1)大気との境界層が厚くなり、過度の蒸散や温度変化を防ぐ。 2)気孔のまわりの空気に湿気を与える。 3)気孔が水浸しになることを防ぐ。 4)芽の中で折りたたまれた葉の発生や展開において傷つくのを防ぐ。 また、成葉においても葉と葉の接着を防ぐ。 5)異物(動物・カビ・バクテリアなどを含めて)の付着を防ぐ。 6)虫などに食べられるのを防ぐ(毒素を分泌する場合もある)。 以上ですが、なかなか難しいですね。お子さんには、6)あたりが無難かもしれません。 |