小笠原の固有種で、15メートルにもなる木です。 「ビロウ」(中央ヤシ室入り口正面に植栽。日本列島南部に分布している)と違い葉柄の刺が少ない為「トゲ無しビロウ」 とも呼ばれています。 オガサワラオオコウモリの大好きな、黄色いトウモロコシの穂先のような花に気がつかないうちに、いつの間にか、 こんなにつやつやした立派な果実がびっしりとついていました。 果実は、若い緑色から濃いブルーに変化していますが、なかなか落ちる気配がありません。 一年ぐらい持ちこたえたでしょうか、2012年の春ごろ、ようやくぽろぽろと落ちてきました。 時々、通りかかるお客様から、この立派な実は、食べられるのですかという質問を受けます。 この果実は、果肉が少なく、この果皮の下はすぐ硬い種子なのですね。食べるところがないのです。 で、さらに調べてみると、かつて小笠原に住んでいて、絶滅してしまったオガサワラカラスバトという大型のハトが、これを食べていたという記録があることを調べ上げた報告書が、ネット上にありました。 現地ではこの葉を「シュロッパ」と呼び、そのしっかりした繊維の葉を、以前は屋根葺きなどに利用していました。 カヤ葺き屋根のカヤの小笠原版といったところでしょうか。籠など日用雑貨にも使います。 |