学名のsanguineaとは、血紅色のという意味で、この壷の色を表しています。 東南アジアを中心にした、熱帯ジャングルの中に絡みついています。絡みついたものを計るのは容易ではないですが、 ある趣味家の話では、10メートルは伸ばすとのことです。 サンギネアから、捕虫嚢(葉の先端が伸びて袋状になっている部分)は赤いというイメージですが、色の変異は多く、全く違う色で出てくることもあります。 ウツボカズラの仲間は、捕虫嚢が成熟するまでは、蓋がしまっていて、中には、虫を溶かすための弱酸性の液体が溜まっています。 蓋が開いたら、二度と閉じることはないのだそうです。では、雨が降って袋の中がいっぱいになったらどうするのでしょう。 心配はありません。元気なうちは、自分で、水をこぼしたり、根元に吸収させたりして、袋の中の水は、一定の濃度を保っています。 ところで、中に落ち込んだ虫は、完全に溶けるのでしょうか。 昆虫の羽根や足などは、溶けずに残ります。 熱帯のジャングルの中、ムウッとした空気の世界で、袋の中に、虫の残骸があったら、たちまち、水は腐り、本体も危険です。 虫を溶かすような液体で満たされている捕虫嚢の中、うまくしたもので、そんな液体をものともせず残骸をむさぼるまた別の虫が住み着きます。 その残版処理係を狙って入り口付近に陣取る虫もいて、食物連鎖が行われていることの分かる植物です。 |