茎の節から根を出し、周りの木によじ登るツル植物です。 東南アジアで、”噛む植物”の代表的なもので、「ベテルチューイング」と言われ、ヤシ科のビンロウの実を乾燥させて、石灰にまぶしたものを、このキンマ(べテル)の葉に包んで、チューインガムのように噛むのです。 精油が含まれていて、タバコのような、嗜好品の部類です。 朝日「植物の世界」では、ビンロウのほかに、タバコ、チョウジ、ニクズクなどが混ぜられることもあるようで、精油成分が、神経系に作用し、一種のほてったような爽快感を味わう、と紹介されています。 しかし、これを噛み続けていると、唾液が赤くなり、絶えず吐き出すことになり衛生上の問題があり、歯も黒くなることから、噛む人は減少し、最近では、インド・ブータンなどの田舎で見かける程度とか。 ビンロウ(アレカ・カテチュ)-Areca catechu-ヤシ科 は、小さな鉢植えで隣り合って展示されています。 葉は羽状複葉で、茎頂にまとまってつくごく普通のヤシですが、茎の下のほうを見れば、タケのように、節があります。 キンマとセットで使うからBetel palm(ベテルパーム)とか産地の名前からPinang Tree(ペナンツリー)とも呼ばれます。 自生地では、10メートル、ときには20メートルにもなるヤシです。 花はレモンの香りがするのだとか。しかし、温室内では、いつ花が咲くのか果実ができるのかは分かりません。 そこで、ネット上の百科事典ウィキメディア・コモンズから果実の写真をお借りしました。果実はこの後、きれいなオレンジ色になります。 |