「カミガヤツリ」
(シペラス・パピルス)
-Cyperus papyrus-


カヤツリグサ科・シペラス属

熱帯アフリカ・エジプト・ヨーロッパ南部原産。
    科名のカヤツリグサは、年配の方なら、幼いころ、この茎を裂いて遊んだ思い出を お持ちかもしれませんね。
身近にあったカヤツリグサも、今は、都会ではほとんど見られなくなってきています。
カヤツリグサの茎は▽(三角)です。同じカヤツリグサ科の、このカミガヤツリも、 茎は丸みを帯びた▽です。
このカミガヤツリは、私たちの知るカヤツリグサとは大きさが違います。 原産地では、4〜5メートルぐらいまで、太さ6センチにもなるそうですが、温室内では、せいぜい2メートルぐらいです。 先端で放射状に伸びているのは、枝で、更に三つに分かれ、そこに花をつけるのです。花と言っても小穂で、地味です。葉は、退化してしまって、根元に形骸が残るだけです。

古代エジプトで、紙を作る材料としてこの茎の髄(ずい)を使ったことで有名です。 皮の方は、籠や、大きなものでは船をも編んだそうです。
papyrus(パピルス)は、paper(紙)の語源です。

池の中で伸ばした根、生育旺盛です。

最後の写真は、水生植物室の池の手入れの時、剪定されて出たパピルスを分けてもらい、水にさらし、繊維を取出し、重ね合わせて、数日間圧縮したものです。
古代エジプトで実際に使われたものは、もっと密に重ね、サイズも大きいのですが、こういうものに、絵や字を書いて、後世に残したのですね。

(名古屋市立東山植物園・水生植物室 )

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