「アナナス・コモスス・バリエガツス
(斑入りパイナップル)
-Ananas comosus var. variegatus-

パイナップル科・アナナス属

ブラジル原産
私たちが口にするパイナップルの葉の、何倍もの大きな株になります。
フイリパイナップルというと普通は 白い斑が葉の淵を彩りますが、こちらは、葉も果実も赤味を帯びて、とてもきれいです。 最後の写真は、2011年に、植えられていたものです。
パイナップルとは、パインとアップルをつなぎ合わせたもので、パインは、松ぼっくりの事、アップルはジューシーなリンゴから来ています。 そういえば、パイナップルを食べていて、タネが出てきたこと、ありますか? ないですね。パイナップルは、放射状に広がった葉の中心から、芽を出してきて、実になるのです。 私達が食べるパイナップルには、頭に葉っぱがついてますね。クラウンとよびます。あの部分を、土に埋めておくと、根が出て、果実が出来てくるのです。 不思議な繁殖の仕方ですね。

たまたま、2018年春、そういう状態の鉢植えが、展示されていました(3枚目)。ちょっと写したタイミングが悪く、本当の花は、見えにくい状態ですが、夫々の果実の先端に、紫色の花が咲いています。
鉢植えの写真は、職員さんが購入したパイナップルの上部を植えて、育ってきたもので、斑入りではありません。
沢山丸い粒がついてますが、これ一つ一つが、本当の果実です。野生のものでは、この中に、タネがありますが、市場に出回るのは、受粉できない状態で、育てられているので、めったに、種子を見ることがありません。

では、私たちが食べてるところは何?沢山の果実を乗せている、花托(かたく)という部分です。
花托って食べられるの?はい、イチゴも同じ仕組み。黒い粒粒が、本当の果実。それを乗せている赤いところは、花托と言うのです。ちょっと、ややこしい話ですが。

最後の写真は、以前、植栽されていた Ananas bracteatus var. striatus 英名は Variegated red pineapple。赤がさらに濃く現れます。    

(名古屋市立東山植物園・中南米産植物室)

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