「ドクダミとハンゲショウ」
-Houttuynia cordata
& Saururus chinensis-


ドクダミ科・ドクダミ属とハンゲショウ属

「ドクダミ」 ↓



「ハンゲショウ」 ↓

日本各地・中国・東南アジアに分布
   ドクダミ、よくご存知ですよね。
じゃあ、質問させてください。ドクダミの花は、何色?

こういう質問を受けた方は、皆さん、怪訝な顔で、「そりゃあ、白でしょう!」って、お答えになります。
でも、上の画像を、よ〜く、ご覧下さい。皆さんが、白い花弁だと思ってる部分は、実は、花弁じゃなくて、苞(ほう)という部分なのです。花は、小さな小さな雌しべと雄しべだけで、花弁がないものなのです。

「ドクダミ」は、漢字で書くと毒矯み、毒痛み、毒溜めなどがあてられていて、昔から人家の近くにあって、人々の生活に深く関わってきた経緯を思わせます。
湿った半日陰地に自生する宿根草で、特有の臭いがあります。

開花期は5〜7月頃で。茎頂に、花びらのような4枚の白色の総苞片があって、その中心に、上で述べたように、淡黄色の小花を密生させた、 棒状の花序があります。花は、よく見ると柱頭が3つに分かれた白いメシベと、その周りに黄色いオシベがひしめき 合っているだけで、いわゆる花びらがないことが分かります。

地下茎でどんどん広がっていきます。オシベが機能していない花と言われていますが、単為生殖で、ちゃんと果実 を作っています。単為生殖による果実というのは、クローンのことで、親と同じ遺伝子を持ったものが4枚目の写真の粒粒の中に、あるのです。
うちの場合は、このような状態になる前に、ほとんど引き抜いてしまうのですが、この写真を撮りたくて、一本だけ活かしてみました。

「ハンゲショウ」は、同じドクダミ科ですがハンゲショウ属で、漢字で書くと、半夏生。夏至から数えて12日目を、 暦の上で半夏(はんげ)といいますが、丁度そのころに花開くからという説があります。

また、半化粧、と書いて、花に近い葉っぱの半分以上が白くなるのを表しているという説もあります。
葉が白くなるのは、ツボミのでき初めから花が咲いている間だけで、咲き終わるとまた緑に戻ってしまいます。また、白いときも葉の裏側は、 他の葉と同じ、緑色です。
花自身が、花弁のないオシベとメシベだけの地味なものなので、葉が目立たせる役目をになうのです。

穂状の花は、最初は首を垂れていて、開花する部分から立ち上がり、やがてカーブを描くようになり最後には直立します。 花穂の中で、花はいつでも開花中の部分がカーブの一番上に来ています。
一個の花は、1〜2ミリほどの小さなものですが、まん中の子房の先が4つに分かれているのを見ることが出来ます。


(うちの庭で撮影。ただし園内でもドクダミはあちこちに、ハンゲショウは、也有園にもあります)

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