「トビカズラ(以前は、アイラトビカズラ)」 ( ムクナ・ センペルウィレンス) -Mucuna sempervirens-
マメ科・トビカズラ属

中国・揚子江流域原産。
中国名「常春油麻藤」 熊本県菊鹿町相良(あいら)地区にあるものは、国の天然記念物に指定されています。
日本で唯一本自生していると言われて久しかったのですが、2000年に、佐世保市の沖にある 九十九島の一つの無人島・時計(とこい)島でも自生していることが分かりました。
相良(あいら)での自生の理由として、2説あるようです。
○かつては我国にも広く分布していたが、ほとんど絶滅して、菊鹿町相良地区のみに残っている。
○昔ここが相良寺の境内で、留学僧が中国から種子を持ち帰ってまいたからではないかといわれている。

が、今は流通が盛ん。あちこちで見られるようになりました。

よく見ると、幹生花(かんせいか)です。太い幹から緑色の茎を伸ばし、その先に暗い赤紫色の 大きな蝶形の花を房状に咲かせています。条件がいいと、たくさんぶら下がります。 細い枝には付きません。

東山でも、ゴールデンウィークのころ、下のほうの太目の幹にだけ花をつけ、上のほうは葉っぱばかりです。
この花には次のような伝説があります。
「昔、源平合戦の頃の話で、壇ノ浦の合戦で敗れた平家の残党が相良寺に立て篭もったとき、 豊後竹田の源氏方の武将緒方三郎が寺を焼討ちした。 このとき寺の観音様は飛翔(ひしょう)してこのカズラに飛び移り危うく難を逃れたという。 また、一説には、観音様がカズラに姿を変えて飛来され、走落の坂を下る緒方三郎の足にからみつき、 落馬したところを残兵が討ち取ったとも」

以前は、この花が開く年には、国家事変がある・・などとあまりありがたくない曰くつきでした。 でも、最近では、どこの株も、毎年花を咲かせているようです。

左上の写真をクリックしてみてください。どんな風に花房がついているのかが分かります。落ちた花を拾ってみると、結構大きいのです。

本園のものは、1982年に、中国から直接導入したものなので、相良(あいら)の子孫でないところから、最近は、 アイラを外して表示しています。

2007年、6月、果実がぶら下がりました。
紹介された地元の新聞記事では、その数30個とか。
1個、ガイドステーションでの展示品の写真です。かなり大きめ。
ただし中の種子は、小指の先ほどの小さなものでした。 完熟ではなかったのかもしれません。

落ちた花を手に乗せたとき、萼の部分の毛がチクチクと手に刺さりました。萼からはすぐに抜け落ちるようですが、手についた毛は、 なかなか抜け落ちない仕組みになっているようです。それと同じ毛が、この大きな鞘全体にあって、これを撫でた後も、手にたくさんの毛が刺さり、 しばらく取れませんでした。

最後の写真は、8月の終わりの状態です。 まだしっかりと、絡み合った茎に、くっついて下がっていました。

(名古屋市立東山植物園・東山植物園・中国園 )

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